Zwischen Himmel und Erde

語学や旅行、ドラマに関する雑記

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初めて中国語字幕で見たドラマ『還珠格格』のこと

中国ドラマを本格的に見るようになったのは大学生の頃。2回生の中国語の授業で、当時流行っていた『還珠格格』(1998年)を見て中国語を学ぶ、というのを取っていたのがきっかけでした。

 

『還珠格格』は、乾隆帝の落胤である娘・紫薇(林心如)と大道芸で生計を立てる少女・小燕子(趙薇)の二人を主人公とする物語。紫薇の境遇を知った小燕子は、彼女のことを皇帝に伝えようと紫禁城に忍び込みますが、矢を射かけられ意識を失ってしまいます。その持ち物から乾隆帝は小燕子のことを探していた娘だと思い込み、「還珠格格」という称号を与えます。本当のことを言いたいけど言えない小燕子、裏切られたと思う紫薇。

 

そんなドラマを教材として使うわけです。めちゃくちゃ面白い!

左が紫薇、右が小燕子。本来なら紫薇が格格(=公主)なのですが……。

2013年台湾版DVD封面

全話YouTubeで見ることができます。

youtu.be

 

授業では初級で学んだ構文を確認したり、成語や慣用表現を取り上げていきます。今も自分でドラマを教材として学ぶことを続けていますが、きっかけはこの授業でした。

 

それまで中国ドラマは『三国志』『則天武后』などをNHKで日本語字幕で見ていました。日本語だと意味はわかりますが、どんな構文が使われているのか、どんな成語が使われているのかはあまり意識しません。中国語字幕だと、それを意識せざるをえません。授業なので、初心者には難しいところで止めて解説してくれました(日本人の先生)。

 

小燕子に想いを寄せる乾隆帝の第五皇子永琪(でも小燕子はわかってない)のことが気になるようになってから、ますます楽しくなってきました。この人、蘇有朋という台湾の歌手で俳優で今は監督なのですが、我々は「すよぽん」と親しみを込めて(?)呼んでいました。左が永琪、右が2019年くらい。若い……。


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しかし、授業のペースでは、なかなかストーリーが進みません。続きが気になるよ!ということで、先生に「そのDVDは日本でも買えますか?」と聞きに行きました。すると、それはDVDではなくVCDという中華圏でよく使われるものとのこと。そして書虫で買える、と教えてもらったので早速買いました!

書虫 -- 中国書籍専門店

多分、今なら映像メディアは書虫よりもクイックチャイナの方が扱いが多いと思います。

www.quick-china.com

夏休みに入ったこともあり、結局『還珠格格』(24話)+『還珠格格Ⅱ』(48話)を1週間弱で見てしまいました、普通に言って頭のおかしいペースですね。Ⅱに関してはちょっと不満もあったのですが、勢いで見てしまいました。

 

疲労でしばらく寝込んだ後、ふと考えたのです。

「理解できるほどの中国語力が自分にあったのだろうか?」

と。

 

普通に言ってNoです。しかし、小燕子たちと喜怒哀楽を共にしたあの1週間にはそれを乗り越えるだけの何かがありました。それは何だったのか、ということをしばらく考えました。

 

結論としては「推測する力」だったと思います。

 

正直なところ、字幕を読んでも耳で聞いてもわからないところはわかりません。しかし、自分が日本語の文章を読むとき、すべての語を理解しているでしょうか?これはNoです。特に戦前の文章などはわからない語も多いです。しかし、普通は読めます。それは前後の文脈から推測しているからです。おそらく、『還珠格格』もそうやって見ていたのだろう、と思いました。

 

謎の自信がつき、その後も数多くの中国ドラマのVCDを買い、同じようにわからないところは推測しながら見ました。だいたい2006年くらいまでそのような感じでした。その後、就職して忙しくなり、あまり中国ドラマを見なくなりました。

 

最近になってまた見るようになって少し方針を変えました。

 

推測してわかっても、敢えて辞書を引いてカードを作って覚えよう、と。

 

その視聴法&学習法についてはまたそのうち。